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2005年 10月 31日
知らぬ間に当ブログも有名になってきてしまったようです。ボストンキャリアフォーラムでもお会いした8割ぐらいのMBAの方々には読まれていて正直驚きました。面接やディナーでお話した後「ブログ書いてますよね、いつも読んでますよ」なんてぼそっと色々な人に言われました(笑)。日本に戻ってきて書けないことも増えてきましたので、宣言どおりここらでブログは休止したいと思います。その前にもう少しだけ私のブログを読んでおきたいという方々のために、やや決意表明めいてはいますが、バンカーとしてやってきて今感じていることをまとめておきたいと思います。
さて、東京に戻ってきてから会社を色々回っていますが、王道の投資銀行スタイルがようやく受け入れられる土壌が日本にもできてきているのを肌で感じます。これまでは日本企業の経営陣はM&Aや資金調達といった超重要戦略意思決定ですら旧来お世話になっている日系証券会社や銀行系証券に安易に頼んでしまう傾向がありましたが、明らかに変わってきている。もはや夜の接待やゴルフ接待だけでM&Aや資金調達の仕事が取れる時代は終わろうとして来ていると言ってもいいでしょう。バンカーは日本でも提案の中身で勝負する時代が到来しています。逆説的にこれは投資銀行業務の二極化時代の到来でもあるでしょう。バンカーが単なるエクセキューターに終始する投資銀行業務(経営の超重要意思決定とは言えない案件)はより一層手数料競争になっていき、経営の根幹にかかるアドバイスに関してはリレーションシップ営業しかできないファームには仕事が来ない時代です。 東京の日本人バンカーで40歳を越えている人々はほぼ全員が元日系銀行・証券出身者です。何十年もバンカーをやり続けるキャリア・インベストメントバンカーと呼ばれる人々が数多くいる欧米とは業界全体の経験や蓄積、洗練度が大きく違います。資金調達のアドバイスに関しては昔の日系証券会社もかなりの高いスタンダードを持っていたと思いますが、ことM&Aに関しては日本はものすごく遅れていました。日系証券・銀行出身の方々が必死に海外の投資銀行業務のスタイルを学んで少しづつ日本で浸透させていったわけです。残念ながらそれゆえ80年代・90年代半ばまでのM&Aは外資と言えどまともな提案活動よりも株の営業マンスタイルで仕事が取れてしまう時代が続いていました。これは業界全体のレベルが低かったためでもあり、また、クライアントサイドの企業側の経営企画部や財務部のレベルが低かったためでもあるでしょう。外資投資銀行の投資銀行業務も本格的に日本でスタートして15年程度の歴史を経て、ようやく純血外資バンカーが育ってきています(もっとも各年次で業界全体でも5人ぐらいづつといった人数だと思いますが)。個々人のバンカーの技量がもっとも問われる時代に突入したといっても過言ではないでしょう。 DCFやらcomps, precedents, LBO, mergerモデルなどができて、株式交換・会社分割などの法律・会計知識を持つ人々はものすごい勢いで増えています。ただし、それだけでは株の営業マンの域を超えられません。所詮「M&Aやるならうちに任せてくれればエクセキューションはやりまっせ」の域を超えていないからです。また、オポチュニスティックに一風変わったプロダクトを提案する旧来の一部外資の短期的利益追求型営業も限界があります。そうした案件数はいくら積み上げても成功するバンカーにはなれないでしょう。ただの案件エクセキューターに陥ってしまっては仕方が無いわけです。「インベストメントバンカーは男子が一生をささげる仕事ではない」なんて言っている人もいますが、それは本来の王道バンキングを知らないからです。本来バンカーはものすごく頭を使う仕事のはずですが、頭を使わない仕事スタイルにしてしまってきたのです。能動的に経営陣と経営・財務戦略についての対話を続けM&A・財務戦略をクリスタライズするプロセスからアドバイスしていく、それができるバンカーが今後長期的に成功するバンカーです。付け加えるなら、成功するだけでなく、やりがいのある投資銀行業務ができるかということでもあるでしょう。 予断ですが、MBAの方々の面接の際に何度か「良い買収のクライテリアは何だと思いますか?」という質問をしました。多くの方々は戦略的フィットやシナジーをすらすらと上げられましたが、同じぐらい重要なのはバリュエーションです。いくらシナジーがあろうともそれを上回る高値で買ってしまえば良い買収ではなくなるのです。逆にLBOにおいても極端な例では全く事業改善・リストラの余地がなくとも、安く買えればそれは良いLBOということになります。この発想の差が戦略コンサルとIBの違いとも言えるでしょう。経営戦略・バリュエーション・ストラクチャリング・エクセキューション全てに精通していることがバンカーとして成功するためのポイントとなります。 年齢に関係なくリレーションシップは中身があれば自然とできる、そのことを日本に帰ってきて更に実感しています。年配の役員の方々からももっと話を聞きたい、これはどうやればいいんだ、なんて反応をもらうと嬉しくなります。更なる成長と利益率の改善をもたらすには何をしたら良いのか、同業他社はどのような戦略を打ち出しているのか、クライアントのことを「インサイドアウト(裏表全て)」知り尽くした上でクライアントの目線で必死に次の一手を考える、その真摯な姿勢が重要です。今まで夢物語だと思って経営陣の方々がまともに検討すらしたことのない理想的な案件、それは本当に夢物語なのか、どうやったら実現できるのか、あるいは似たような効果はどうやったら達成できるのか、そんなことをきちんと考えていけるかどうかです。これは単純なようでできる人が少ない。ただ知識があるだけでは駄目ですし。日本人バンカーで事業会社の役員に転じる方などが欧米に比べてこれまで圧倒的に少なかったのも恐らくは、日系証券会社的な株営業スタイルでバンキングをやっていた人が大半だったからでしょう。我々の世代の純血バンカーが活躍し始めている今後5年ぐらいの間に日本の投資銀行業は大きく変わっていくことでしょう。 これをもってこのブログは終わりとさせていただきます。今までありがとうございました。NYで衝撃的な出会いなどもあり色々今考えていることもありますので何らかしらの形で再開することもあるかもしれませんが、それまで皆様ごきげんよう! 人気blogランキングへ #
by mondenlondon
| 2005-10-31 02:40
| その他
2005年 10月 17日
ついに本帰国しました。やっぱいいですねー!!メシはうまいし、東京の街はエネルギーに溢れているし、女性は美人が多いし(笑)!これからどんどんネットワークが広がっていくことを楽しみにしています。
やや帰国ボケという感じです。日本は街並みはそれほど変わっていないものの、ソフト面で流行や政治・経済・ビジネス環境など色々なところで少しづつ変化していますね。小泉フィーバーやほりえもん、村上ファンドなど当然新聞などでは見ていましたが、やはり肌感覚が欠けていた気がします。 さて、帰国してからしばらく色々な人に会ったり、何社かの事業会社の経営陣とお会いしたりしましたが、正直な感想としては日本はまだめちゃくちゃ遅れています。欧米の経営活動のスピードが新幹線レベルだとすると、日本は時速10kmぐらいに感じます。ほとんど止まってます…。経営スタイルも未だに時代遅れの旧来のやり方にしがみついている会社もたくさんありますし、かたや必死に欧米スタイルを取り入れようとして形だけは整えたけど中身が伴っていなかったり。IRや執行役員制度、経営計画の立て方、事業評価方法など色々な新しい経営システムが90年代に日本企業でも導入されましたが、欧米の企業に比べるとそうした仕組みを日本企業はまだまだ使えこなせていないなというのが実感です。私のようなバンカーがやってきて従来の経営の延長線上にない飛躍的成長と利益の改善を実現するようなM&Aのお手伝いをする前に、本業のファンダメンタルズを自助努力でもっと改善することは可能なはずです(経営コンサルの方ももっと頑張ってください!(笑))。例えば日本と同様に人件費が高く、かつ労働組合が強力なドイツなどを見ても、同じ業種で比較するとほぼ全ての業種においてトップグループの企業の営業利益率は日本企業と10%以上差があります。明らかに本来きちんと経営していればできることができていない。なぜこういう違いがあるのかな?と考えていたのですが、どうも経営陣の経営に対する執着や熱意が日本企業には感じられない。一円でも多く稼いで、搾り取るように利益率を常にちょっとでも改善し、ちょっとでも売り上げを増やすよう努力する、そうしたことができてない。そんな基本的なところに根本的原因があるのかもしれません。サラリーマン経営陣のインセンティブスキームの構築に社会制度的にも完全に失敗している、そんな気がして仕方がありません。 逆に言うと、日本はまだまだ問題が多いからやりがいもあるということでもあると個人的には楽観的に見ています。未来は明るいはずだ、変化の兆しはあるのだから、変われるはずだと。バンカーとしても変化のお手伝いをできる貴重な時期かもしれません。 今週からボストンのキャリアフォーラムに行ってきます。所詮日本の外資投資銀行業界は狭いので、そこで働いている人に魅力を感じるかが重要だと思います。少しでも私と一緒に働いてみたいと思う方がいれば是非声をかけてください。ハードな仕事かもしれませんが、一緒に働くことになれば私が知っている全てを教え込んでさし上げます(笑)。 また、日本に戻ってきて書きづらいことも増えてくると思うのでそろそろこのブログは閉鎖しようかなーなどとも考えています。また、続けるにしてもまず名称は変えたほうがいいですね。いいアイデアがあれば教えてください。さらにせっかく東京に戻ってきたので是非私に会いたい・飯でもおごってやりたいなんて方からのご連絡お待ちしてます。 人気blogランキングへ #
by mondenlondon
| 2005-10-17 02:34
| 日本経済
2005年 10月 01日
![]() しばらくブログ更新が滞ってしまいました。南米は初めてだったけれど非常に楽しかったです。本当に地球の裏側という感じで。 さて、NYからサンパウロに着いて、もう3年もサンパウロに住んでいる大学時代の友人との超久しぶりの再会。じゃあ飯でも行こうか、と言ったその矢先に、サンバのダンス教室に無理やり連れて行かれる羽目に。サンバでもちょっと見てそれから夜は朝まで踊るのよ!ぐらいな勢いで、サンバの洗礼を受ける。その後合流したその他の友達たちと共に日本食を食べに行き(いい加減そろそろ日本食も食べたくなり。ちなみにサンパウロは日系人が多いので日本食はロンドンよりおいしいところもあるし、当然破格の安さその後更に延々飲み続け。。。。。NYの洗練された都市型の遊び方から比べたら全く違うんだけど、一気に南米の洗礼を受けた気分になった。 サンパウロからアマゾン、イグアスの滝、リオデジャネイロと更に飛び、その後ペルーへ。途中アマゾンで下痢になったり、クスコで高山病になったりしてきつかったけど、最高に楽しい経験になった。ブラジルは色々な意味でカルチャーショックだった。 ●男女比を見ると圧倒的に女が多い サンパウロでも男1対女2以上という感じ。アマゾンでは男1対女5ぐらいだとのこと。なぜ女の方が多いのかは、色々な人に聞いたが良く分からなかった。ブラジル人は肉ばっかり食うからそれが関係してるんじゃん?ぐらいな回答しか得られなかった。いずれにせよ、よって女性が非常に積極的。人種が混ざりまくっているので美女も多い。またFicaなんて言葉があるぐらいブラジル人はuncommittalに遊ぶ傾向がある(爆)。友達曰く「ブラジル人は男も女も野獣」。。。ブラジル人と付き合っている人は男も女も大変だろうなと思った次第。もちろんそれに加えて今日が楽しければいい!みたいなカルチャーがある。ブラジルに駐在になって大好きになってそのままいついちゃったり、いつかは戻りたいなんて言っている日本人の気持ちが始めて分かった。 ●貧富の差が激しい ブラジル・ペルーは世界的に見ても、貧富の差ランキングではトップ5に入るぐらい激しい。広大なスラム街が広がっていると思えば、ブラジルで成功している日系人の中には日本国よりも広い土地を持っている人もいるとか。 ●踊りが大好き! 友達もそうだったが、踊りが大好きでブラジルに住み着いちゃう人も多いぐらい。ブラジル人の陽気で情熱的な性格は一緒にいても頼もしいぐらいだ。いつまでも少年でいられる感じだ。ちなみにブラジルでもてる男は、ダンスがうまい人か金持ち、だと。 ●日系人がたくさん! ブラジルだけでも100万人以上の日系人がいる。日系人をこんなにたくさん見かけたのは生まれて初めてだったため、なにか中国人が華僑の人々と接するときの気持ちを体感した気分だ。日系人の方々はポルトガル語、あるいはスペイン語で話しているときは、ぶっきらぼうでつめたったりしても、日本語を話しだしたとたんに態度も丸くなり親切になる。言語にはそれに付随する態度や性格、話し方なんかがあると言うけど、日本語ってのはあらゆる意味で素晴らしい世界観を伴っているんだなぁと感動!日本人だというだけで親近感を覚えてくれて、初めて会うのに日系人の人々は「どこから来たんだ。俺も昔少し日本に住んでた、。。。」なんて気楽に話しかけてくるし。また南米の日系人の多くは20代で日本に数年出稼ぎに来ている人も多いので2世3世でも日本語を流暢に話せる人も少なくない アマゾンやマチュピチュ、サンパウロやリオの夜など、全てが新しい発見の連続だった南米旅行。次は是非春のカーニバルの時にでも行きたいとかなり本気で思いました。サルサでも習い始めようかな?ラブ南米!また必ず戻ります! ![]() 人気blogランキングへ #
by mondenlondon
| 2005-10-01 16:34
| その他
2005年 09月 19日
#
by mondenlondon
| 2005-09-19 00:39
| その他
2005年 09月 09日
![]() NYのヘッジファンドで働く友人が言っていた一言が非常に印象に残った。 “If you feel like you are missing a boat, don’t worry about it because you are not. Everyone is actually only swimming around the boat and struggling hard not to get drowned.” 訳:(ヘッジファンドという勝ち)船に乗り遅れてるんじゃないかと思っているとしたら、そんなこと気にしなくていいよ。全くそんなことはないから。(ヘッジファンド業界の人間は)みんなただ単にその船の周りを泳いでいるだけで、溺れちゃわないようにするだけで必死だから。 ヘッジファンド業界は投資銀行業界以上にコンペティティブで生き残るのも難しい。ミーハーな気持ちで皆が興味を持っているからとか、死ぬほど給料もらっている人がいるからといった理由だけでやろうと思うなら本気でやめた方がいい。9割方失敗している。頭が良かったり知識があるだけでなく(それよりもむしろ)トレーディングのセンスが重要だ。年齢も学歴もリーダーシップもチームワークもゴマすりも全く関係ない世界に放り込まれるので、プライドも経験も年齢も上下関係もクソもない、儲けたものが勝ち、そんな究極の世界だ。 生のヘッジファンドを伝えるために何人か今回NYで会ったヘッジファンドで生きる人々について書いておこうと思う。恐らく普通に説明するよりも直接的にどんな世界でどんな人々が働いているのか分かるだろう。 一人目は、いわゆる典型的なロング・ショート投資を行うヘッジファンドに務めるアナリスト。全米トップ10の名門大学の学部卒後すぐに投資部隊100名以上抱える比較的大手のヘッジファンドに就職した入社4年目の25歳。4年も生き残っているのでそれなりに平均以上には頑張れているはずだ。すでに自分のポジションを持って投資しているが、給料の支払われ方がヘッジファンド業界の中でも際立って実力主義で、月給から完全業績連動給。彼の去年の実績は年収約3000万円、今年は初め3ヶ月に比較的うまくリターンを上げたので3ヶ月で約2000万円もらったが、その後5ヶ月間は給料ゼロ。ロスを出しているからだそうだ。投資のパフォーマンスがネットで勝ち越しのプラスになるまで次の月給は支払われず、年末の時点で負け越していれば首になると言っていた。すぐに大きくカンバックしてやるから大丈夫だよ、と笑ってごまかしていたが、死ぬほど毎日プレッシャーを感じているのは見ていて明らかだった。非常に慎ましやかな生活をしていて、正直日本企業入社1・2年目ぐらいな生活水準で暮らしている。死ぬほど様々な投資関係の本を読み漁って勉強している。一寸先は闇といった生活を送っているからだろう。首になったらMBAでも行くしかないかなと言っていた。なぜなら首になるということはヘッジファンドではもうやっていけないという烙印を押されたことに等しいし、彼の場合、ヘッジファンド以外の経験がないので他の業種にも転職しづらいからだ。 二人目は、同じヘッジファンドに務める27歳のスイス人。大手投資銀行のスイス及びNYオフィスの投資銀行部で計3年働いた後、ヘッジファンド業界に転身。年収6-7000万円をコンスタントに稼ぎ出す稼ぎ頭だ。同じファンドの20代の若手50人ぐらいのうちで彼が断トツのトップパフォーマンスを上げているらしい。そんな彼もあと2年もこのヘッジファンド業界にいつづけたらもはや他に行く先はなくなるな、なんてつぶやいていた。どの仕事もそうだろうが他の職種に転職するというのはなかなか容易ではない。ましてや30歳近くなるとなおさらだ。失うものも多い。 三人目は、履歴書的には華麗な転職暦を持つ29歳。米屈指のH大学部卒で、インターネットベンチャーで2年働いた後、大手投資銀行の投資銀行部でアナリストとして3年働き、その後リスクアーブ投資(merger arbitrageなどrisk arbitrage専門)を行うヘッジファンドに転職。残念ながら彼の勤めるファンドのパフォーマンスは芳しくなく、去年はマイナスかぎりぎりフラットといったパフォーマンス、今年は10%を超えているが数年前の設立当初数百億円あったファンドサイズは今や100億円以下に減っている。要はバスト寸前とも言っていい状態になっている。彼の去年の年収は1000万円に満たない。前職からでもかなりの給料ダウンだ。本来であれば他のファンドに転職したいようだが、パフォーマンスが良いファンドで働いた経験がないとなかなか他の好調なファンドでの転職も難しいし、投資スタイルの違うファンドへの転職ははっきりいって全く違う生き物といってもいいぐらいなので難しく、真剣にMBAに行くことを考え始めている。その背景には、MBAに行って良いコネクションを得ることに加え、もう一度やり直したいという思いがあるからだろう。 四人目は、元大手投資銀行の投資銀行部のリストラクチャリンググループのヴァイスプレジテント。投資銀行業界の中ではここのリストラクチャリンググループはかなり有名だ。学部はウェストポイント出身で米軍にヘリコプターパイロットとして勤務後、某トップスクールMBA卒。数々の全米の超有名破綻案件のアドバイザリー経験を持つ。現在30半ばでディストレスド・ファンドのアナリストとして務めて2年目。彼のディストレスド投資に関する知識は半端ないし、アメリカの倒産プロセスやらあらゆるリストラに精通している。そのままIBにいれば間違いなくもっと活躍できた人物だ。しかし、トレーディングの経験はヘッジファンドに入ってから。五人目となるが、そんな彼が勤めるファンドのポートフォリオマネジャーは若干28歳。28歳のPMは彼ともう一人弁護士出身の30代の2人のアナリストに支えられている。3人で7億5千万ドル(約750億円)のファンドを切り盛りしている。28歳のPMは投資銀行の投資銀行部のアナリストを3年やった後、ヘッジファンドに転職し、めきめきと頭角を現して大手ヘッジファンド傘下のこのファンドを任されている。28歳のPMの年収は推定数億円、2人のアナリストは1500-2000万円程度。この元投資銀行ヴァイスプレジデントの年収は3分の1以下になったと言っていた。ウェストポイント出身の元軍人で投資銀行のIB出身らしく、人当たりの良く、真摯で知的、リーダーシップに溢れ体格も良い彼は、まさに文武両道といった感じだが、残念ながらそうした要素はヘッジファンドでは全く役に立たないんだということをまざまざと見せつけられた気がした。 六人目は、完全に独立して自分のファンドを立ち上げた29歳。大手投資銀行の投資銀行部でアナリストとして3年働いた後、アクティビスト投資の有名ヘッジファンドに転職。このファンドのヘッドは狂ったように攻撃的かつ毒舌なことで有名なスーパーヘッジファンドマネジャー。初めの2年は全然うまくいかなかったそうだが、あらゆることを教え込まれ3年目ぐらいからめきめき稼ぎ出し、年収1億円を超える。4年目に独立したいとヘッドに伝え、彼の全面サポートを得て、色々な投資家の紹介を受けたりして、見事今年3億ドル(300億円)の自分のヘッジファンドを設立。セントラクパーク沿いの高級マンションも購入。現在意気揚々とまさに絶好調にある。彼の元のファンドのヘッドがなぜそこまでサポートしたかは、彼を知る人間に言わせると、もう既に死ぬほど儲けているから、「あのファンドは昔俺が手取り足取り教えてやった奴がやってて、俺があいつのためにファンドを作ってやったんだ」なんて言いたいためにそこまでやってくれたんじゃないのと言っていたが。まあ、そんなサポートを受けるほど彼に儲けさせてあげたお返しといった要素が高かったんだと思うが。 上記の何人かの例を見れば明らかのように、肩書きやら学歴なんてはっきりいって全く関係ない完全な実力主義世界がヘッジファンドにはあるわけだ。MBAが役に立たないとは言わないがMBAの知識がすぐ生かせるとかそんな次元の話じゃないし、社内政治やらリーダーシップやら人徳やらそんなことも全く関係ない。ものすごく優秀な人間が集まっているし、ヘッジファンドに入るだけでも普通は大変だろうが、その中での生き残り競争は想像を絶するほど過酷だ。正直、一寸先は完全な闇の中、手探りで必死に生きている人々の方が圧倒的に多い。もちろん信じられないような成功を若いうちに手にしている人々もいるが、ほんの数%と言っていい。皆がいずれはポートフォリオマネジャーになる、あるいは自分のファンドを立ち上げたいと頑張っているが、ほとんどの人は実現できていない。ほぼ全ての人は実現できない、に同義語に等しいぐらい厳しい。今のヘッジファンドに比べたらIBやPEでさえミドルリスク・ミドルリターンに見えてくる。 2年前まではNYのヘッジファンドもブームに乗って儲けまくったファンドも多かったらしいが、ここに来て数が増えすぎたのとマーケットのパフォーマンスの低さから一気に冷え込んできている。また、NYのヘッジファンド業界は、東京・ロンドンと比べてもこの1・2年で一気に競争が厳しくなったという印象を持った。ターンオーバー(人間の入れ替わり)は3年経てば75%は首になり、100人のファンドにいれば3年で100人入れ替わるぐらい回転スピードは速い。成功している人のことばかりが報じられがちなヘッジファンド業界だが、儲けてる人がいっぱいいるらしいから俺もやりたい、なんてミーハーな気持ちで考えているなら止めといた方がいい。そんな程度のモチベーションじゃ絶対成功しないから。英語力が心配だったりしたらそもそもNYのヘッジファンドなんか止めた方がいい。ただでさえ厳しいのに英語のハンデがあればなおさらだ。それはIBも同じだけど。 今回、ものすごく多くのヘッジファンドの人間と会って、彼らと狂ったように毎晩飲みまくって大いに語り合い、実に充実したNYでの1週間となった。もう胃が壊れそう。NYの流行スポットはほとんど全部連れ回されたんじゃないかな。結構本気でNY住むのも楽しいかも、と思わせられた。NYのヘッジファンドで仕事を見つけるのは十分可能だと言うことが分かったが、あの異常なリスクの中に身を晒すには、よほどの覚悟と自分のバックグラウンドにぴったり来てかつ良い指導者がいるファンドを見つけることが重要だ。今回はもちろんヘッジファンド以外にもバンカーの奴らや色々な人間と会い、大いに最先端NYを感じた滞在となった(そういえばコロンビア大MBAのホームパーティも何件目かはしごして飲んでいる時に一瞬行きました。日本人はいなかったですが)。ヘッジファンドとPEがどのような局面で競合しているかも良く分かった。日本に行くときは絶対連絡するから、大いに日本で遊ぼうと約束して最後は皆と別れた。年末年始にNYヘッジファンド野郎らの日本ツアーでも企画しないといけなくなるかもしれない(笑)。 人気blogランキングへ #
by mondenlondon
| 2005-09-09 00:34
| 買収ファンド・ヘッジファンド
2005年 09月 06日
![]() 久しぶりにNYに来ているが、友達何人かにあちこち連れまわされてちょっと死にそうだけどかなり楽しい滞在になっている。この4日間で恐らく30人以上に会って毎晩遅くまで飲み歩いている日々。金融関係が多いがその中でも特にヘッジファンドが圧倒的に多い。ヘッジファンドが確実にNYで増えているのを感じる。取り急ぎまた詳細に書こうとは思うが簡潔に色々な人との会話をまとめると以下のようなトレンドがあるようだ。 - ヘッジファンドの数は異常に増えており、だんだんと競争が厳しくなっている。成功しているファンドは20%ぐらいと見ていいか?90年代は半分以上のファンドが成功していたが今は少ない - 今年は過去にないほど厳しく、平均的には伝統的なアセットマネジメント会社とヘッジファンドは同じぐらいのパフォーマンスしか上げれていない。来年・再来年につぶれるファンドもたくさんでてくる - ファンドのパフォーマンスが10-20%マイナスになるようなことがあればファンドを畳まなければいけなくなる - 多くの若手は投資銀行よりも安い給料に甘んじているし、パフォーマンスが良くないファンドに数年働くとその後のキャリアステップがなくなり得るぐらいリスクは高い - 給料格差は若手の間でも激しく、20代前半・半ばぐらいで既に1億円弱ぐらいもらっている人間もいるが、そのレベルはヘッジファンドの若手の中でも数%程度(彼らが恐らく一般的に想像されるヘッジファンドの象徴的なイメージか) - ヘッジファンドの金余り状態はものすごく、だからこそよりアクティブなPEに似た投資などもし始めているし、ディストレスドではDIPファイナンスにまでヘッジファンドが手を出している。数千億円といった金額はそうでもしなければ使いようが無いというのが多くのヘッジファンドの人間の見方だった - 投資銀行のバンカー出身も異常に多いが、典型的な転職は2~3年アナリストをやって転職したというのが多いようだ - MBAはほとんど役に立たないと思っている人が多い。やはりヘッジファンドでもあくまでMBAはエントリーパスという位置づけなのだなと再確認 - いずれは自分でファンドを立ち上げることを夢見る人々が多い。ヘッジファンド業界ではそれぞれファンドのことをどこかのお店みたいに誰々の「ショップ」と呼び、それだけ設立パートナーの人脈と名声・実力で成り立っているのがヘッジファンドということでもある 全体としてはヘッジファンドは魅力的な業界ではあるものの、世に知られているほど成功しているファンドは驚くべき少ないし、成功できる可能性も少ない、非常にリスクの高い仕事であることは間違いない。ヨーロッパのPMとのメールでのバトルで有名になったThird Point(運用スタイルは村上ファンドのようなアクティブファンド。最もよりアグレッシブだが。メールのやり取りの全文がハーバード留学記に載せられていたと思うのでヘッジファンドカルチャーに興味のある方は読まれるとといいと思う)のパートナーなどにもこの後会う予定だしもう少し状況は詳しく分かるだろう。こんなこと書いてると転職するんじゃないのかなんて言われそうだがその気はしばらくない。転職する気はないといっているのにいくつかのファンドのシニアな人間にレジュメを送っといてくれと言われている。業界としては要モニターだと思うし、今の金融トレンドを理解する絶好の機会なので、もう少しNYを楽しみながら状況を探ってみたい。 またNY滞在記さんにも時間を作っていただいてお会いした。非常に気さく、かつアンテナが高く、好奇心旺盛な方だった。 人気blogランキングへ #
by mondenlondon
| 2005-09-06 00:40
| 買収ファンド・ヘッジファンド
2005年 08月 31日
大分前に触れたが、欧米の大半の法制度と比べて日本のM&A法制は良い意味でも悪い意味でも株主軽視になっていると言っていいと思う。これは買収の仕掛け易さという点でもそうだし、買収の防衛という点でもそうだろう。法制度が整っていないといった方が正しい。海外との比較で言うと、日本では重要戦略決定を行う際に株主総会にて株主にお伺いを立てなくても経営陣の独断で行動できる余地がかなり日本は高い。例えば自社の資産の20%以上の買収等を行う場合は株主総会決議が必要な国があったり、日本の場合33.3%以降の株式取得の場合は公開買付を行わないといけないことになっているが追加で5%だけ公開買付ということも可能だし、5%集まらなければ取り下げることも可能。欧州ではほとんどの国で当該企業の株式の30-40%以上取得する場合は一気に100%まで公開買付をしないといけなく、事前に残り持分を買い切って100%買えるだけの資金を持っていることを買収を仕掛ける前に証明しなければならないなど厳しいルールとなっている。当然に自社株が3分の2以上希薄化する可能性のある資金調達は株主総会にかけないといけないなど。イギリスでは大型買収を仕掛ける場合はその買収はclass 1 transactionと呼ばれる部類に入り、株主総会を開いて株主にお伺いを立てなければいけないと厳しいルールとなっている。日本ではライブドア・フジテレビ案件で、買収する側(ライブドア側)も容易に自社よりも大きな会社を買うことが可能だし、法整備が不十分な中敵対的買収防衛する側(フジテレビ)も経営陣のエゴでなんとでも可能だということが世に知られることになったかと思う。 欧米は敵対的買収が死ぬほど起こっていて、欧米の制度を導入したりしたら日本は外資にどんどん買われてしまう、みたいな意味不明なことを主張する人がいるようだが、それは全くの間違いだ。未整備な法制度は外資が入ってこなくなるだけでなく、日本企業が国内でM&Aを健全に行うことすら妨げることになる。敵対的買収といえど、欧州では例えば買収ファンドがLBOにて敵対的買収を仕掛ける際は、Scheme of Arrangement(英など)又はScheme of Inheritance(伊など)と呼ばれるスキーム(どちらも名前が違うだけで実質同じ)を使わなければレバレッジドファイナンスを行っている都合上実現できない。そして、このスキームを使うと自動的に買収提案に対して経営陣からの支持がないと結果としては敵対的買収は実現できないのだ(若干国ごとの違いを補足すると欧州では伊でのみ買収直後のBidCoとOptCoの合併が認められている。独でも認められてはいるがthin capitalルールが厳しく、会計士がうんと言わないので実質的に5年ぐらいは合併させられない。なので当初のLBOの後リキャップを行ったり、他のファンドに転売されたりしているとHoldCo0, HoldCo1, HoldCo2…と複雑なストラクチャーにどんどんなっていく)。逆説的に、成功した敵対的買収は、必ず結果としては経営陣の支持を得た友好的買収ということになる。米国においてもLBOでの買収後、買収用に設立されたペーパーカンパニーであるBidCoと被買収会社との合併に際して非課税の処理を受けようとしたら経営陣からの支持が必要になる。このように実際には、敵対的買収に関しては欧米も非常に厳しい法制度が敷かれているのである。日本と大きく違うのは、経営陣が買収提案を支持する際に、株主のためを考えて検討しているか厳しくチェックされる仕組みになっていることである。 以下のFinancial Timesの記事は、英米のロースクールの教授が共同で執筆した英国と米国の公開買付制度の違いに関する記事だが、これまた面白い比較になっているのではないかと思う。イギリスはUK Take Over Panelという民間の専門家によって成り立つ自主規制機関が敵対的買収を含めたあらゆる公開買付のモニタリング規制を行っている。以下の記事では、アメリカでMCIがQwestからの高いオファーを蹴ってVerizonからの低いオファーを受け入れたり、PeopleSoftが必死に買収提案を退けようとしたりすることが、イギリスではそもそも可能でないという話からスタートしている。しかし、アメリカとイギリスの法制度の土壌の違いも忘れてはいけない。アメリカの方がいわゆるfiduciary dutyと呼ばれる経営の責務をきちんと実行することに関して、非常に高い株主代表訴訟リスクによってきちんと担保されている。仮に買収提案を蹴った場合はそれに不服を唱える株主達による株主代表訴訟リスクに経営陣は常に晒される。弁護士の数がアメリカには多いことが株主代表訴訟リスクを高めているといっても過言でない(アメリカでは弁護士が突然手を挙げて、この会社を訴えたい株主集まれ!とやって自分から株主代表訴訟の仕事を作ってしまうということが頻繁に行われる。日本みたいに弁護士の数が少ないといちいちそんなことしている余裕がある弁護士も少ないのが実態だろう)。イギリスのやり方がインフォーマルだと書かれているが、それは規制組織が政府系機関ではなく独立しているというだけであり、実際には通称ブルーブックと呼ばれるTake Over Codeが詳細に書かれたルールブックが存在する。 日本のM&A法制は恐らく株式持合いがされていることを前提に形成されてきたもので、近代化が進んでいるとはいえまだまだである。株式の持合がなされている状況では、法律で規定されなくても株主にインフォーマルなお伺いなしには何もできなかったわけである。株式の持合が崩れている現在、株主が分散していることを前提とした新しい形での株主重視型のM&A法制の整備が日本でも望まれる。これが引いては健全なM&A市場の発展にもつながるはずである。 ちなみにこのUK Take Over Panelの委員長は歴代大手投資銀行のM&Aバンカーが持ち回りで務めており、つい先日次の委員長にモルガンスタンレーの英国M&Aグループのヘッドが2年間の期間で就任することが発表された。英国で起こるあらゆる公開買付の規制機関の長とも言うべき委員長のポストは非常な名誉である。キャリア的にも委員長の期間、全ての公開買付に関して買収側・被買収側双方と密接にコミュニケーションをとり何が起こっているかプロセスをモニタリングするため、M&Aバンカーとして飛躍的に伸びうる経験となる。委員長ポストには各社から次代のマネジメントを担うトップM&Aバンカーが送り込まれている。 Transatlantic lessons on takeovers By John Armour and David Skeel FT.com site; Jun 21, 2005 The return of America's hostile takeover market after several years of slumber is raising familiar issues about US take¬over regulation. Can a target company pick a lower value bid over a higher offer (as MCI recently did)? Can it simply shoo away an unwanted bid (as PeopleSoft tried to do last year)? Many Americans would be astonished to learn that these questions would not even be asked if the bidding contest took place on British soil. In the UK, erecting defences of any sort against a takeover bid is prohibited. This means that the shareholders of the target company are the ones who decide which bid they prefer, not target managers who may be more concerned about protecting their turf than making the best decision for the target company. At least as striking are differences in the mode of takeover regulation in the US and UK. US takeovers are regulated by a combination of mandatory federal securities law, which oversees tender offers, and Delaware state court judges, who decide whether the resistance of the target company's directors is acceptable. The Takeover Panel, which polices takeovers in the UK, does not rely on lawyers, judges or statutes at all. The Panel itself is staffed by business and financial experts on temporary leave from their City firms. The Panel bases its guidance on the City Code, a set of norms (such as the prohibition against use by target companies of "frustrating actions") that was first devised by institutional shareholders, merchant banks and the London Stock Exchange in the 1960s. Because the process is informal, the Panel handles complaints by the parties in a takeover battle in remarkably timely fashion. "If the point is a difficult one," according to Alexander Johnston's history of the leading history of the Takeover Code, "the Panel executive may ask for time to consider, but this is thought of in terms of hours rather than days". The very different outcomes of the MCI takeover battle in the US and Malcolm Glazer's recent bid for Manchester United Football Club in the UK vividly illustrate the difference an ocean makes. Because MCI could prevent Qwest from taking its offer directly to MCI's shareholders, and because it was not clear whether the Delaware courts would force MCI to make way for the higher Qwest bid, MCI's directors seem to have succeeded in imposing their preference for Verizon's lower value bid on MCI's shareholders. With Manchester United, by contrast, share¬holders were the ones who made the choice. We do not mean to suggest that the US should ditch its current approach to takeovers in favour of a Takeover Panel and informal Takeover Code. The success of the Takeover Panel depends in part on conditions that are not present in the US – such as the fact that the principal UK shareholders, banks and exchange are all located within a few blocks of each other in the City of London. Professionals who know one another and constantly rub shoulders are more likely to adhere to the Panel's informal guidance than relative strangers. In addition, the limitations of a more legalistic approach are counteracted in important respects in the US by the efficiency and sophistication of Delaware's courts. By judicial standards, Delaware is astonishingly fast, often issuing opinions within days of the parties' arguments. While one can imagine lessons US regulators could learn from the UK approach, and vice versa, we believe that the greatest relevance of the contrast is for emerging economies both in Europe and elsewhere in the world. Reformers have too often assumed that top-down, mandatory regulation, together with courts, is the only way to regulate corporate transactions in emerging economies. But the success of the UK's Takeover Panel suggests that this assumption is seriously flawed. The US approach requires an effective governmental regulator, together with an efficient court system. In many emerging economies, one or both of these elements is missing. In some, the parties that are most directly affected by corporate regulation – large shareholders, banks and exchanges – are located in close proximity to one another. And they have a direct financial stake in the success of the regulatory framework. In this context, informal self-regulation might prove more effective than the US combination of formal statutes and courts. The UK strategy will not invariably be the best, any more than the US approach is. But reformers and lawmakers should keep in mind that there are at least two ways to regulate takeovers, not just one. John Armour is a law professor at Cambridge University; David Skeel is a law professor at the University of Pennsylvania and author of Icarus in the Boardroom: The Fundamental Flaws in Corporate America and Where They Came From (Oxford University Press) Copyright © Financial Times group 人気blogランキングへ #
by mondenlondon
| 2005-08-31 18:34
| 金融市場
2005年 08月 30日
今バハマに来ている。日本に戻るまでの間しばし休暇を取り普段いけないところということでスキューバダイビングをしにバハマに。
![]() バハマにて: バハマについた日から雨が降り始めHurricane Katrinaになり、どうなることかと思ったが、フロリダに抜けていって無事晴れてきた。初ダイビングだったが、今回みっちり講習を受けてようやくダイバーライセンスを取得。早速Wreck dive(難破船ダイビング)やShark dive(鮫ダイビング)ができ、すでにダイビングにはまりそうな予感。鮫はすごかった。20-30匹はいただろうか。鮫の餌付けをするのでものすごい数がよってきて、こっちはじっとして見ているものの体に当たってきたりする至近距離は非常にエキサイティングだ。写真は残念ながらコピーライト問題でウェブには載せれないらしい。 それにしてもバハマはフロリダの一部かと思うぐらいアメリカ人観光客だらけだ(バハマは一応独立国)。バハマ経済は9割がた観光業なのでアメリカに経済面で完全に依存しているといっても過言じゃない。バハマドルは米ドルと1対1のペグ制を取っているため米ドルが混じって普通に流通している。防衛も当然アメリカ軍に任せている。あらゆる面でアメリカに依存している国というところか。米ドルのハイパワードマネー管理のために米連邦準備制度はバハマ中銀とバハマドル発行に関してなんかしら連携しているのだろうかとどうでも良いことを考えてしまった。 バハマ人: バハマ人は英語しか話さないが、アメリカの黒人以上に聞きづらい。バハマ人の英語はどうも方言化していて文法が変形しているのも理由だろう。Be動詞も”How’s you doing?”なんて感じにも話されるし、タクシーを一人でチャーターしたかったら”Do you want to get rated?”なんて聞かれるし、ちょっと不思議な語法がバハマ英語にはあるので、正直かなり聞きづらい。バハマ人はまた反応が5秒ぐらい鈍く、のんびりしている。態度もおおらかというかはっきりいってサービス精神のかけらも無い。高級リゾートでリゾートフォーマルなドレスコードがあるレストランでもバハマ人ウェイターの態度だけは客に向かって平気で”Hey, man. How’s you doing?”ととてもマッチしていない…。あとは明らかに俺が話すイギリス英語には過剰反応してくる。結構イギリス英語発音は質問文でも語尾が下がるので命令しているように聞こえるから、普通に話していてもバハマ人はいらついてぶっきらぼうに反応してくる。当然そんな反応したら俺もより攻撃的に反応するのだが。それでいてレストランに行くと既に15%サービス料入っているのにAdditional Gratuityの欄がある。そんなのこんなサービスで払うわけねぇだろ!って感じだが。 アメリカ人再考: あとアメリカ人がたくさんいるわけだが、みんなアメリカ英語話してるのね。最近そういう状況になれてないから久しぶりだ。っていうかかなりうざい。アメリカは偉いんだぞ、英語はアメリカ英語でどこでもなんでもOKなんだぞっていうカルチャーがアメリカ人文化だと思っている俺は、こういう観光地でアメリカ人が闊歩しているのを見ると辟易する。まあそれが彼らのアイデンティティなんだろうけど。ヨーロッパに住んでいて改めてアメリカ人だらけのところに来ると、同じ白人でもいかにアメリカ人は特殊かが良く分かる。アメリカの白人は、元はヨーロッパ人かもしれないが、ヨーロッパの白人とは全く別な生き物になっている。元々は多様な人種が言語的に統一され、多様なバックグラントも元が分からないぐらいに混ざってしまい、「白人」としか認識できなくなっている。 アメリカでなぜあれほどまでに人種にこだわるのかようやく理解できるようになってきた気がする。アメリカの白人はほとんどが自分の母国や元人種をまともに答えられず、自分のアイデンティティはもはや「先祖はどこかヨーロッパの色々な国出身」で今の自分はただの白人、というレベルでしか持っていないということだ。ヨーロッパでは当然フランス人、ドイツ人、イギリス人といったグルーピングができるし、それぞれの国籍別にコミュニティもできるし、友達の輪も広がる。英語も、フランス語訛りの英語、イタリア語訛りの英語など聞いていて区別できるし、アメリカ人が皆同質的なアメリカ英語を話しているのと比べると訛りにも愛嬌すら感じられる。同じ白人だからといって同じという感覚を持つこともそれほどないし、例えばフランス人がいたとしたら、白人のアメリカ人と日本人と比べたらどちらにも同じレベルの親近感しか持たず、白人だという理由で日本人よりアメリカ人に親近感を持つということも無い。しかし、アメリカではもはや白人、黒人、黄色人種みたいな区切りでしか自分のアイデンティティをアメリカ国内で区分けできなくなっているんだろう。もちろん1世2世もいるが、世代を経るにつれだんだん元何人か分からなくなっているアメリカ人が増えてきている中、この傾向はよりエスカレートしていくだろう。 それにしてもアメリカ人って常にアイデンティティ問題を抱え続けている人種だなと改めて思う。移民の国の行きつく先だろうが、果たして日本をそんな風にしたいかというと当然NOだ。自国文化を守りつつ、競争力のある国にするためにはどうしたらいいか、そんなことを頭の片隅で考えながらバハマカクテルBahama Colardaを飲んでいる。 ![]() 人気blogランキングへ #
by mondenlondon
| 2005-08-30 09:37
| その他
2005年 08月 22日
![]() プラハにて(本文とはかなり関係ありません;-)) 9月第1週に休暇でNYに滞在する予定だ。休暇で行くのは5年ぶりぐらいになるだろうか。ホテルに泊まっても良かったが、弁護士でリストラ専門コンサルタント(bankruptcy consultant. 日本にはまだ存在しない倒産企業再生専門コンサルタントです)の友達の家にお邪魔し、ニューヨーカーライフを体験してみたいと思う(もっとも彼自身は出張で飛び回っているのでフラットはかなり使い放題なんだけど)。 ニューヨークは決して広くは無いけれど、あのエネルギーの塊のような街の雰囲気は世界中から人を寄せ付けてやまない。一度働いてみたいと思う人が多いのもそのせいだろう。ロンドンや東京ももちろん似たような雰囲気はあるけれど、ニューヨークは特別だ。アメリカの中でもニューヨークだけ突出して特別だ。ニューヨークといえば数年前に1泊3日でとある案件で相手側と最終協議のために東京から出張に行かされた時のことなんかも鮮明に思い出す。両サイドの当該事業会社の重役及び投資銀行、弁護士、会計士など両サイドの各アドバイザーが集結して、うちからは私が代表で出席。確実にその場にいた中では最年少だっただろうけれど緊張しまくったのを覚えている。同時にこうした案件を通じて、若手にはストレッチ気味にどんどん責任を任せてくれる外資投資銀行の仕事の楽しさを知り始めていたときだったと思う。 今回は休暇ということで少し色々な人に会って、しばらくぶりの友達との再会を楽しむと共に、ちょっと違う角度から最近のニューヨークのビジネストレンドを見てみたり、ニューヨーク生活を見てみたいと思う。ヘッジファンドに勤める友人もやはり増えているし、同業の友達、PEに移った元同僚といった金融分野の人から、ちょうど駐在になる時期なのかなぜか増えつつある同年代で日系企業でNY駐在になっている友達や、はたまた上院議員の秘書をやっている友達、パフューマーの友達、NYで起業した友達などにひたすら会いまくって来ようと思っている。それに加えておいしいもの好きは私としては当然に食やファッショントレンドも見てこないと。 せっかくのブログの利点を生かしててと、、、ニューヨーク在住の方どなたか会いませんか?ご紹介も大歓迎です。mondenlondon@hotmail.com(恐縮ですができれば英語又はローマ字でお願いします)までご連絡ください 人気blogランキングへ #
by mondenlondon
| 2005-08-22 14:08
| その他
2005年 08月 19日
![]() 日本企業の経営陣の方々と話していると時に不思議な考え方が正しい理論として信じられているという状況に直面する。それらは日本の株式マーケットの歴史的なコンテクストの中で正しいと信じられてきただろうし、実際表面的には正しいように機能している手法だったりする。日本で異常に発達している株価のテクニカル分析に似たようなものだが、企業の財務戦略にも根拠は乏しいが経験則に基づくような理論が存在している。例えば良く聞くのは、自社の発行株数が多いからうちの会社の株価は変動が少ない、だとか、安定配当をしていないと株主に迷惑がかかるから、業績連動型配当じゃなくて安定配当が重要、といったことだ。 おそらく株数が多いと株価が変動しにくくなるというのも、歴史的に日本の大企業が大きくなる過程で増資を繰り返し、事業も拡大し、時価総額も拡大。結果として株数も増えたが、時価総額も拡大し、小さな株の売買では株価は大きく変動することは無くなった。そんなところなんだろうと思うが、いつの間に株数が多いと株価が変動しなくなる、というところだけがセオリーとして知れ渡り、株数が多いから業績が上がっても株価が頭打ちになりがちだ、だから自社株買いして株数を少なくしないといけない、なんてことを真剣にやっている一部上場企業もある。不思議なことに同業他社のCFOも同じことを言っていたりするので、経営陣同士の会話の中でネットワーク効果のように根拠は希薄だけどお隣さんもそういっているから間違いないと信じられてきているんだと思う。株数多くて嫌なら株式併合でもすればいいのにと思うがそれでは駄目らしい。 安定配当も日本のエスタブリッシュメント企業の経営陣に強く信望されているセオリーだろう。「うちは安定配当を重視していて…」ということを海外の機関投資家に対してのミーティングでも平気で口にされる経営陣もいらっしゃるが、機関投資家からすればなんで配当性向などを重視しないのか、安定配当と言われるたびにただ単に配当政策が無いんだ、と理解するだけなのである。これもおそらく日本特殊的かつ歴史的な要因なんだと思う。歴史的に見ると、日本は1995年まではキャピタルゲイン課税が存在しなかった。一方配当には所得税が課せられていた。投資家からすれば配当なんて一切せずに全部再投資に回して株価をもっと上げてくれた方がいい、という状況になっていたわけである。すると安定配当ということで念頭にあったのは誰かというと、おそらく安定株主対策だろう。株式持合いしてくれている会社に対して少ないながらも安定的に配当を払うというのが慣行になっていったんだと思われる。今となっては時代錯誤もいいところだし、機関投資家に向かって安定配当を重視していて云々というのもナンセンスだが、安定配当が重要、というところだけ勝手に一人歩きしていっているんではないかと思っている。 予断だが、キャピタルゲイン税率と配当税率は各国によっても違うし、例えばアメリカなどでは政権が変わるたびにそれぞれの税率を変更してキャピタルゲイン・配当に関する投資家の選好度合いをコントロールするということが行われている。現在のイギリスでは、配当とキャピタルゲインの税率は保有期間が1年以下では同じだが、機関投資家に限って、1年を超えて保有している株式はキャピタルゲイン課税が50%削減される(要は少なくとも1年間は保有するインセンティブが強力に働くことになる。2年を超えて保有している場合は75%削減されるはず)。個人は3年を超えて保有してようやく5%下がる程度なのでどちらでも無差別だが。日本も今は配当とキャピタルゲイン税率は同じだが、2000年ぐらいまでは個人投資家では手続きはやや面倒だったがキャピタルゲイン税率を確か10-15%に抑えられたはず。 こんな「とんでも」コーポレートファイナンス理論、おそらく色々な会社でもっともらしい理論として信じられていると思うんですが、他にも例をご存知でしたら是非教えてください。 人気blogランキングへ #
by mondenlondon
| 2005-08-19 09:21
| 金融市場
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