カテゴリ
以前の記事
フォロー中のブログ
最新のトラックバック
その他のジャンル
ファン
記事ランキング
ブログジャンル
画像一覧
|
2005年 05月 30日
外資の巣窟のようなロンドンの投資銀行で働いているといやがおうにも英語力は鍛えられるが、なかなか普通の人が見聞きすることの少ない本当の英語のエッセンスというのを自分自身の記録のためにも時々ブログで書いていってみようと思う。
多くの人がビジネス英語は日本語よりもダイレクトでストレードだと思っているが、そんなことは全くないし、英語でのあいまいな言い方というのもたくさんある。それができないと生き残っていけない。外資ではプロアクティブさとリスクヘッジが最も重要な要素となる。NHKビジネス英会話などでもいつも思っていたのだが、ビジネス英語で最も難しい局面は、上司・顧客から怒鳴られたり・理不尽な要求をされた場合と、部下にいかにプレッシャーをかけて仕事をやらせるか、の2つだと思うが、このような場合の対処方法についてはほとんど通常のビジネス英会話テキストでは触れられていない。日本語に存在しない言い回し、つまり頭の中で日本語から英語への翻訳で話していると出てこない言い回しなどもたくさん存在する。また、アメリカ英語とイギリス英語でも英語の言い回しは当然違う。単純にアメリカ英語の発音でいわれると気持ち悪くて使えないイギリス英語のフレーズなんかもたくさんあるし。私の英語はかなりイギリス英語の影響を受けているがその辺は了承して欲しい。 まず初めに、英語が流暢なことと外資で働けることは全く別物である。一つには日常会話とビジネス英語の違いというのもあるが、端的に言うと外資でのビジネス英語は社内ポリティックスをどううまくナビゲートするかということと直結しているため、英語が話せるだけでは外資では生き残っていけないのである。外資で働いた経験がないとこれは訓練されない。 海外勤務経験が長い人は日本人でもたくさんいらっしゃるだろうが、「首にならない組織」と「首になる組織」ではその会社での社内政治の立ち回り方が違うために、使われるビジネス英語は共通部分もたくさんあるが、非常に違う部分も多い。当然に外資は後者に属する。外資でのビジネス英語は、言語だけの差ではなく、組織体制の違いでもある。日本語で話していても首になる組織と首にならない組織では日本語の使い方、立ち振る舞い方が確実に違ってくるだろうが、多くの日本企業は未だに終身雇用・年功序列であるため、一般化してビジネス英語と言った場合、日本語vs英語に加えて日本型経営vs欧米型経営という要素も理解していないとマスターできないということになる。逆にこれは日系企業の海外現地法人ではそれほど求められない要素でもあるだろう。外資投資銀行はその中でも首になるリスクが通常の企業に比べて異常に高いので、私の経験は外資の中でも極端な例ということになるだろう。特に、外資投資銀行では周りの人間皆が全力で仕事しているため、怠けたり、甘えを言ったりする人間はそのとたんに首の対象になるという特殊な環境にあるということと、首になる可能性がある一方で高く評価される人間は、日本企業では考えられないスピード出世と高額な給料が支払われるという非常にボラタイルでハイリスク・ハイリターン型の組織であるということを付け加えておく。また、ある意味「ごますり」はグローバルスタンダードであり、外資の場合、日本企業では考えられないぐらい効果を発揮する。ただ、「ごますり」と言っても特定の人に対するごますりというよりは八方美人的な振舞い方が重要と言うのが私の経験的理解だが。 話はややそれるが、40歳前後で外資の大企業のCEOになっている人々を見聞きすることがあると思う。彼らは非常に優秀だし、あまりある実力を持っている。しかし、確実に言えるだろうことは、彼らよりももっと優秀で経験を持った年配の人々はたくさんいるということだ。少なくとも、40歳前後で大企業のCEOになった人々は全員全てに共通して社内政治の立ち回りが異常にうまく、運と縁に恵まれている。実力主義・成果主義以上のものがそこにはあると言って間違いない。ビジネス英語の究極は、そうした人々の話すビジネス英語(と、そこに凝縮されたプレゼン方法、立ち振る舞い方、言い回し等々)をいかに学び取るかというところにあると言ってもいいと思う。 ビジネス英語はある意味個々人のビジネスの仕方にも関わってくるので、何がうまいビジネス英語かということについては、それぞれの主観が入ってくる。また性格上の問題もあるので皆が使えるということでもないし、外人であっても必ずしも社内政治を渡り歩くのがうまい人ばかりではないので、一般化も難しいという側面があるのは確かだ。次回以降、例を挙げながら私なりのビジネス英語のフレーズを紹介していこうと思う。
by mondenlondon
| 2005-05-30 21:56
| ビジネス英語
|
ファン申請 |
||